コナン・ドイル 作 小池倫太郎・秋元一剛 訳 三輪士郎 挿絵 |
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修道士あがりの従騎士 アレイン・エドリクスン 聡明で礼儀正しい美青年。世間知らずで善良すぎるため皮肉が通用しない朴念仁。俗界で見聞を広めるための旅に出て、エイルワード と仲間にな り、トゥイナム城でナイジェル卿の従騎士、モードの従者兼家庭教師となる。ミンステッドの領主である古い血筋を受け継いでいる。修道院で育てられたため物 静かで穏やかだが、一度怒りに火がつくと古い戦士の血が沸き立ち、一歩も後に退かない。学識があり、いくつかの言語に通じて文字も読め、工芸や絵画の才能 がある。 |
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怪力無双の巨漢 ホードル・ジョン ビッグ・ジョンとも呼ばれる、見上げるような大男。女に騙されてフラれたことからビューリー修道院に入ったが、修道院暮らしが まったく性に合 わず追い出されてしまう。エイルワードとの偶然の出会いから、白の団に入ることに。人並み外れた怪力で、戦士として数々の偉業を成し、手柄を立てていく。 悪童だが男気にあふれ、学はないが知恵はある。歌が得意で、その大きな身体から朗々と響かせる。修道院時代からアレインの根性を鋭く見抜き、一目置いてい る。 |
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的を外さない女弓使い サムキン・エイルワード 白の団の傭兵。達人級の弓の腕前を持つ女悪党。恐らく十代中ごろからこの稼業に身を投じ、フランス中を荒らしまわっている。レス リングをさせ てもジョンといい勝負をするからかなり強い。口は悪いが陽気で姐御肌で傭兵たちの中でも人望がある。アレインやジョンを白の団に引き入れ、二人を弟のよう にかわいがる。おしゃべりで、楽しい話のタネは尽きることを知らない。調子が良いうえにとてつもなく好色な両刀使いで、あちらこちらの女と結婚(!?)の 約束をしている。 |
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小さな大剣士 ナイジェル・ローリング ソールズベリー伯が所持するトゥイナム城の城代を務める下級騎士。小柄ながらイングランドで指折りのつわものとして知られる剣 豪。礼儀正しく 穏やかで、誠実で立派な人物だが、その一方で既に時代遅れになりつつある騎士道のあくなき追求者で戦闘狂、という少し変り者でもある。なにかというと名誉 ある戦いを求める。名声は高いものの気前が良すぎてサイフごと物乞いに渡してしまうような無頓着さのせいで、経済的にはあまり恵まれていない。愛妻家。 |
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ツンデレお嬢様 モード・ローリング ナイジェル卿の一人娘。気が強く、高飛車でお転婆なお嬢様。鷹狩りや乗馬やロマンスに夢中で、空想好き。一方で、宗教改革者に先 んじるような 進歩的な考えを語る聡明さで、アレインを大いに驚かせる。しかしモードのほうもアレインの俗っ気のなさと善良さ、皮肉の通じなさに対しても大いに調子を狂 わされ、お互いに「気になるあいつ」状態。そんな状態に身悶えてきたモードにとって、アレインの突然の全面降伏は意外な事態だった。そしてこれまで苦しん できた反動で……? |
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大食漢の騎士 オリヴァー・バテスソーン イングランドの騎士。ナイジェル卿の古い友人で、武闘派として知られる。とにかく食欲に忠実で、食事の話ばかりしている。そうか と思えば武勇のことでとてつもなく誇り高い面を見せる豪傑。 |
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ブロセリアンドの黒いブルドッグ ベルトラン・デュ・ゲクラン フランス王軍総司令官を務めた有名な実在の騎士。「レンヌからディナンまでで一番醜い」と評された恐ろしい顔の男で、武術の達人 で天才戦術 家。槍をまじえるだけで大いなる名誉が得られると言われ、イングランドと敵対しながらも、騎士道を体現する人柄と武勇により、イングランド人からも愛され ている英雄。 |
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神秘的なレディ ティファーヌ・デュ・ゲクラン ゲクランの妻。ティファーヌ・ラグネル。鋭い知性と強い意志を持った淑女。その独特の雰囲気に誰もが呑まれてしまう。ゲクランに よれば、ティ ファーヌは神秘的な一族に生まれ、神から贈られた「聖なる予見のとき」と呼ばれる未来を見通す不思議な力を持っているという。その予言はすべて現実のもの となっている。 |